地域と人をつなぐ ーNAGAYA(長屋)プロジェクトー

みなさまは自分の家を建てようと思ったとき、真っ先に何を考えますか?間取り・デザイン・使いやすいキッチンetc...もうひとつ考えていただきたいことがあるのです。それは、建物の材料(木材)がどこで育ったのか?その材料がどのように加工され建築されるのか?ということです。なぜなら、そのことがあなたの住む町や地域を、より良いものにして行くからです。

岩手県の約8割は森林で面積は約117万ha。県民約125万人で一人当たり9000㎡、約4000本の木を所有していることになります。ちなみにスイスでは、国民一人当たり約65本の木を所有している計算です。学校の授業では森と環境の勉強をし、下草狩りや植林などさまざまな社会教育のもと、森は国民になくてはならない存在であり身近なものになっています。

 

多くの森林に恵まれた岩手県、大切な資源(森林)を十分に活用しているのでしょうか?

地域の資源はその地域で消費し、新たな資源の整備に投資、新たな資源をまた地域で消費する「循環型の社会」により、その地域は豊かになります。

では、私たちには何ができるのか?

 

私たちHouse Pro.は、お客さまから家づくりを依頼され建築させていただいている会社です。家を建てようとするお客さまに岩手県の森林の現状を知っていただき、木材がどのように加工され家づくりに使われて行くのかをお伝えしながら、地域の木材をより多く使用していただくことを考え、お客さまに接してきました。

 

しかし、もっとさまざまな生活の場面で、もっと身近に木材に触れ合える機会を提供して行きたい、その思いでまずは賃貸住宅の住環境を考え始め、この度、「NAGAYA(長屋)プロジェクト」をスタートいたしました。

北国の賃貸住宅は寒く、お世辞にも過ごしやすいとは言えない建物が多くあります。「NAGAYA(長屋)プロジェクト」は岩手県産の木を身近に感じ、新築住宅と同じ断熱性能の賃貸住宅に住んでいただきながら、県産材の良さを体感していただきたい、そして共同住宅ではなく「長屋」という選択は、お隣さま同士助け合い繋がるコミュニティでありたいと考えています。

 

「NAGAYA(長屋)プロジェクト」では、良質な岩手県産材が見直され、まずは地元で消費されること、そして地域活性に寄与し、人と地域が繋がる暮らしを実現することを目指しています。

基本計画事項

  • 岩手県産材を使用する(構造材・仕上材・羽柄材・外装材・合板etc.)
  • 岩手県産材が身近に感じられる内外観とする
  • 空間を広く取る。仕切りは入居者が自由に変えられる間取りとする
  • 各室に軽自動車1台駐車のスペースと物置スペース、緑木を予定する
  • 木材以外にも自然素材を使用する(漆喰壁etc.)
  • 暖房計画も行う。輻射熱暖房(パネルヒーター)
  • 外皮計算はU値0.3以下とする。付加断熱・木製断熱ドア・木製3重サッシ
  • BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)認定を受ける
  • 太陽光発電の設置